物置の中の戦争:第5話「子供の夢」

Noise Cancellation|思考を静めるための純粋なフィクション。短編小説集

シャインブレイカーは、不敵な笑みを浮かべ、秘密の箱に鍵を差し込もうとした。その瞬間、レッドファイターが叫んだ。
「やめろ、シャインブレイカー!その中身は、お前が想像するような最強の武器じゃない!」
しかし、シャインブレイカーは聞く耳を持たない。彼にとって、この物置の全ては、自分の手で作り替えるべき場所だった。
「黙れ、古ぼけた人形め。新しい時代は、俺様が作るのだ!」
鍵が、カチリと音を立てて回った。箱の蓋がゆっくりと開き、中から埃まみれの紙が現れた。シャインブレイカーは、それを雑に掴み取り、広げた。
「なんだ、これは……」
シャインブレイカーの顔から、自信に満ちた表情が消え失せた。そこには、金銀財宝や兵器の設計図などではなく、子供がクレヨンで描いた、一枚の宝の地図が描かれていた。

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「これが、最強の武器だと?くだらない!」
シャインブレイカーは、怒りに任せて地図を破り捨てようとした。その時、物置の隅に追いやられていた、ゼンマイ兵と捨てられたオモチャたちが、一斉に動き出した。
「僕たちの思い出を、勝手に壊すな!」
「我々にも、守りたいものがある!」
彼らは、ボロボロになったゼンマイ兵や、傷ついた人形たちだった。しかし、彼らの目は、今、かつてないほどに輝いていた。彼らは、レッドファイターたちと共に、シャインブレイカーに立ち向かった。
「なぜだ……なぜ、お前たちはそんなガラクタを守ろうとする?」
シャインブレイカーは、理解できなかった。彼にとって価値があるのは、力と支配だけだったからだ。
その時、棚の上からミーアが静かに降りてきた。ミーアは、破り捨てられそうになっていた地図の紙切れを、そっと前足で押さえた。ミーアの瞳は、まるで遠い記憶を辿るように、優しく地図を見つめていた。
「ニャア……」
ミーアの喉から、懐かしむような鳴き声が漏れた。レッドファイターは、その声を聞いて、ミーアの過去の記憶を再び感じ取った。
ミーアは、子猫の頃、この物置で子供と一緒に遊んでいた。その子供が、物置を「宝の島」に見立てて、宝箱にこの地図を隠したのだ。この地図は、最強の武器などではなく、子供とミーアの、そして物置の全てのオモチャたちの思い出が詰まった、かけがえのない宝物だったのだ。
シャインブレイカーは、地図に込められた意味を理解し、言葉を失った。彼の持つ力は、この物置の温かい思い出には、到底かなわなかった。
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